2024年6月30日日曜日

Tassoの ”Il messaggiero" ほか

7月1日(月)

 定時に研究室に到着。もう7月。

 いつものように2時限、3時限の支度から。時間が余ったので自分の研究を少し。

 TassoのIl messaggieroの、神の創造のあり方を精霊が説明するくだりを精読する。繰り返しでてくるのが「愛」amoreの概念。

「したがって(君の知性まで下って分かりやすく言うと)父親が自身への愛に動かされて子どもを欲し、子がえられると、自身の善だけでなく彼らのもつ善ゆえに彼らを愛し、息子たちもまた感謝と必要性のゆえに父親を愛し返す、そのように神は、自身を愛しつつ、自分の外に存在を生み出した。神はその存在を、自分の作品として愛し、また作り手、保護者として、彼らから愛し返された」(Il messaggiero 146

 3時限の文学史は、ボッカッチョと『デカメロン』について。「序」の最後で、娯楽と有用性の双方を満たすことを作者が主張している点に注意喚起。アリストテレスとホラティウスの詩論に言及。

 授業終了後、仕事と自分の研究をちょっと。16時半ごろに退室。

 帰宅後、家事。指の運動をしてから徒歩で上六へ。カフェで一時間ほど仕事。

2024年6月29日土曜日

読書、銭湯

6月9日(日)

 映画を観にいこうと朝一で家を出たものの、地下鉄に乗り遅れ上映開始に間に合いそうもない状況になったので、予定を変えて上六へ。研究書を読むつもりでいつものカフェにいったものの、ほぼ満席の状態。諦めて徒歩で家に帰る。とほほ(洒落ではない)。

 帰宅して、掃除機をかけて読書と自分の雑用。

 昼食に即席めんを頂く。

 午後、読書のつづき。家事をしてから阿倍野に。蒸し暑いので地下鉄を使いたかったが、駅で待っている最中に、不具合発生のため全線不通のアナウンス。諦めて徒歩で「温泉」に。汗を流してさっぱり。

 帰宅してから少し家事。

 

2024年6月28日金曜日

『デカメロン』の二日目結び

6月29日(土)

 朝食後、掃除機をかけて、大学へ。11時半ごろに到着。

 研究、勉強、仕事など。13時頃に昼食をとって16時半まで。

 文学史の授業の準備で『デカメロン』の二日目の結びを確認する。ここに、金曜日と土曜日は10人の話を休みにするという方針とその理由が、その日(木)の女王役を務めたネイフィレによって語られている。

 金曜日は、キリストの受難に想いを馳せ、お話よりも祈りに身をささげるべき日とされている。おもしろいのは土曜日で、この日は女性が頭を洗い、一週間の仕事でたまったほこりと汚れを落とす習わしになっており、また神の子の母である聖母を敬って断食をし、その後はきたる日曜日に備えてすべての仕事を控えるものなので、という理由が挙げられている。いろいろと興味深い。原文にひっかかるところがあったので、若手研究者にたずねてみよう。

 帰宅後、急いで指の稽古をしてプールへ。いつもと同じペースでクロール。晩にすることがあるため、まっすぐ家に帰る。

2024年6月27日木曜日

帰路の京阪特急

6月28日(金)

 定時に研究室に到着。雨。

 今日は迷わず図書館に移動。11時ごろまで集中して机に向かう。

 研究室に戻って、3時限の支度と業務。

 昼食後、音楽を聴いて気合を入れてから教室へ。おかげで授業は無事に終了。研究室に戻って和訳(課題)の確認。それから仕事と勉強と研究をして18時半ごろに退室。

 帰路の京阪特急で元気な赤ちゃんに遭遇。お母さんとその姉妹と思しき方に連れられておとなしくベビーカーに乗っていたが、途中から飽きてきたようで泣き始める。マンマに抱っこをしてもらうと、車窓のガラスに映った自分の顔をみて大喜び。そのガラスに触ろうと手を伸ばしたり、つり革を引っ張ったり。

 つられて笑いながら、自分の子どもにミルクを飲ませ、慣れない手つきでおむつを替えた悪戦苦闘を思い出す。あやしている最中心臓に手がいって、産着から伝わる鼓動の強さにたじろいだことが何度かあり。生命そのものにふれたような感触。記憶違いでなければ、村上龍の『コインロッカーベイビーズ』に、空手の達人が暴力の衝動を抑えようとして小鳥の胸に触れる場面があったはず。命のビートの効能。

2024年6月26日水曜日

pro bono malum

6月27日(木)

 定時に研究室に到着。

 図書館に移動しようかと考えたものの、時間効率を考えて部屋にとどまる。

 11時まで研究、仕事、雑用。気分転換に散歩がてら百万遍に出てヨーグルトを購入。部屋に戻って、明日の授業の支度を始めたものの、天気のせいか頭が重くて捗らず。

 昼休みの時間、総会を欠席させていただいて、オンラインの調査活動。それから昼食。

 午後も頭が重くて、調子が上がらない。夕方、オンラインの委員会。その後、調べものをして18時半過ぎに退室。ふぅ。

 アリオストの『狂えるオルランド』の末尾に置かれたモットー、 "Pro bono malum"「よき行いに罰の報い」について考える。

2024年6月25日火曜日

ドゥカート金貨、京都大学新聞

6月26日(水)
 
 定時に研究室に到着。暑くなくて助かる。今日はアンダーシャツを着替えずに済んだ。
 
 ウォーミングアップをしてから図書館に移動。1時間ほど作業をして11時過ぎに退館。
 研究室に戻って業務。
 
 昼食後、4時限の歴史講読の支度など。今日読んだところに、レオ10世時代の教皇庁の歳入の金額が出てきた。それによると、年間およそ42万ドゥカーティの収入があったとのこと。これは今日の日本円でいくらにあたるのか。400年代の資料として1ドゥカート=3万円程度という情報があるようだ。金の含有量をもとに試算すると、1ドゥカート当たりほぼ純度100%の金3.5gが含まれていたそうなので、最近のレートをもとに金1g≒13000円で計算して1ドゥカート≒4.5万円の価値となる。これを当てはめると42万ドゥカーティで176億4千万円。当時の物価に合わせて価値を考える必要があるので、数字だけではあまり意味がないが。このような情報を授業で紹介する。

 夕方からオンラインの会議。終了後、雑用と作業。19時ごろに退室。
 
 『京都大学新聞』(2024/6/16発行)にいくつか面白い記事あり。特にびっくりしたのが「死体との交尾 サルで初確認」という京大野生動物研究センターの研究グループの発見。記事に紹介されているその場の状況からすると、合理的に説明がつけられそうな行動にはみえる。

2024年6月24日月曜日

非常勤、あきらめてはいけない

6月25日(火)

 非常勤先で授業をしてから百万遍に。11時過ぎに研究室に到着。

 後輩の先生にメールの返信。ウォーミングアップ(音読など)をしてから昼食。

 火曜日は集中力が心もとないので、午後は図書館に移動して研究と仕事。しかし、やはり効率が上がらない。休憩を交えながら机に向かう。区切りのいいところまで論文の修正作業を進めて退館。

 自室に戻って明日の会議の資料の確認。重要な案件はないようで、ほっ。夕方早めに退室。

 帰宅後、家事。指の運動。近所の図書館に行って1時間ほど作業のつづき。

 何事も最後まで諦めないことが大切だと改めて認識した、今朝のイタリアークロアチア戦だった(ロスタイムの98分に同点ゴールでイタリアがベスト16に)。

イタリア文学専修授業、会議

6月24日(月)

 定時に研究室到着。月曜日は、授業の支度から。

 2時限の授業(TassoのIl messaggiero)では、神の創造のプロセスを精霊が説明するくだりを読解する。「神はそれから、天球、太陽、月、星々、四大、人間、獣、木々、草、金属、鉱物のイデアを作ったが、人工物(アルテからつくられるもの)の似姿だけは作らなかった」という一節が面白い。自然の領域と、人のアルテが生み出すものの領域の区分。

 3時限の講義では西洋における「虚しさ」の概念について話をする。三島由紀夫の『仮面の告白』の一節まで言及して無事に終了。

 研究室に戻って雑用、明日以降の授業の準備など。集中力が底をついたので気分転換に散歩。少しだけ公開論文の修正作業を進める。

 17時からオンラインの会議。終了後、部屋の片づけをして退室。

 帰宅後、大急ぎで家事。今日はサポートがあったので助かる。


共同研究室前の掲示板

見かけない子が加わって少し賑やかに

散歩中


2024年6月23日日曜日

映画、プール

6月23日(日)

 起床して明日の授業の準備を少し。

 朝食、掃除機がけの後、自分の研究をちょっとしてから梅田へ。映画『男女残酷物語 サソリ決戦』。

 タイトルは昭和の怪しい邦画みたいだけれど、立派なイタリア映画。人によって好き嫌いが極端に分かれそうな作品だが自分は好き。主役のダグマー・ラッサンダーが印象的。ここ行きたい、これ見たいという風景・作品も多数。

6.7(金)公開『男女残酷物語/サソリ決戦』公式サイト (unpfilm.com)

 帰宅後、冷蔵庫に残っていた食材をすべて投入したと思しきキムチチャーハンを頂く。美味。

 少し午睡をとってから区民プールへ。いつものようにクロールでゆっくり1000メートル。

 プールを出た後、今日は鉄の意志でどこにも立ち寄らずに帰宅。指の稽古、きんちゃん(金魚)の飼育ケースの掃除、ファイル(自分のものではない)の物理的な確認など。


研究室、"autonomia differenziata"

6月22日(土)

 朝食、掃除機がけの後、大学へ。10時過ぎに研究室に到着。清風荘の壁でカノコガのつがいを見かける。

 ひきつづき、公開済みの論文を修正する作業。がんばれ。

 昼食後、つづき。がんばる。月曜日の授業の準備をして16時ごろに退室。

 帰宅後、指の稽古。プールに行こうかと思ったが雨が降り始めたので取りやめに。

 先日すったもんだの末にイタリア下院を通過した "autonomia differenziata"(「(州の)個別の自治権」)に関する法律を調べている。州に対して権限拡大が可能な項目(国際関係、海外貿易なども含む)と、権限拡大を国が州に承認する際の手続きを定めた法律のようだ。ただし、権限拡大については、国がイタリア全土で国民に対して平等に保障すべき社会的権利(LEP=Livelli Essenziali delle Prestazioni)がまず明確にされる必要がある模様。イタリア憲法116条の条文をふまえての法案だが、豊かな北部と貧しい南部の格差が一層大きくなることが懸念されている。Forza Italiaではすでこの法律を巡って党内に対立が生じており、特に置いてきぼりを食う南部の政治家の間で懸念が強い。

DDL Autonomia differenziata è legge: novità in 5 punti, testo (ticonsiglio.com)

Che cosa prevede la riforma sull’autonomia differenziata | Pagella Politica

https://www.editorialedomani.it/politica/italia/autonomia-differenziata-forza-italia-occhiuto-tajani-bardi-lfgzfspy


なかよきことはうつくしき哉


 

2024年6月21日金曜日

伊文専修授業、接尾辞脚韻(rima suffissale)

6月21日(金)

 定時に研究室到着。今日も午前の集中できる時間に作業を進める。

 一段落ついたところで仕事にかかわる雑用(領収書の発行依頼、書類の作成、作成した書類の提出など)。昼食前に3時限の支度をほぼ終える。

 昼食後、授業。先週指摘したsonetto 141のveracementeとsoavementeの接尾辞脚韻について、作品内でどのような役割を果たしていると想定されるか参加者の皆さんにお尋ねする。意見がでないようなので、こちらで考えてきた可能性を紹介したところ、お一人から「なるほどと思う」という感想を頂く。

 なお、授業を終える際に「今日はちゃんと時間通りに終えました」と一言つけたして笑われる(前回はなぜか15分早く終了していた…)。

 今年度前期のこの演習、それにTassoと歴史講読の授業には、他専修の3回生の学生さんが一人ずつ参加している。皆さんよく頑張っているので、ちょっとうれしい。

 授業終了後、論文の書き直しを少し進める。所用のため夕方早めに退室。

 帰宅して用事を済ませた後、鉄の意志で近所の図書館に行き1時間ほど論文の手直しのつづき。

2024年6月20日木曜日

教授会、雑談

6月20日(木)

 定時に研究室に到着。今日はすこし涼しいような。

 10時まで集中して論文の修正(あまり生産的でないのでつらい)。それからメールの作成と送信。後輩の先生からの問い合わせについて引きつづき情報の確認をする。

 11時前に文学部図書館に図書(Enciclopedia virgiliana vol. II)の返却および継続貸出しの手続き。それから百万遍のコンビニに行ってヨーグルトをまとめ買い。研究室に戻って、明日の授業の準備など。

 昼食後、自分の勉強をしてから教授会に参加。終了後、なけなしの集中力を動員して仕事。19時頃に退室。

 今朝も清風荘の脇でカノコガを何匹か見かける。飛んでるところを初めて目にしたが、蛾とは思えない。ハチのような動き。

 夕食後、オンラインの雑談。Alberto Manziを初めて知る。

La lezione del maestro Manzi è più attuale che mai - Francesco Erbani - Internazionale

Alberto Manzi - Wikipedia

2024年6月18日火曜日

イタリア史講読

6月19日(水)

 定時に研究室に到着。暑い。

 早い時間に机に向かい、1時間ほど集中して作業。この時間が一番捗る(閃くことが多いのは18時過ぎから19時頃の図書館。ちょっと疲れているのがいいのかもしれない。最近はまったく実行できてないけれど)。

 次いで、後輩からの問い合わせに対処する。関連する部署に電話で相談したものの、必要な情報は得られなかった。明日もう一度、照会を試みる予定。その後、作業のつづき。

 昼食後は4時限の準備など。授業で読んでいるプリントが終わりかけているので、次に読む箇所をコピー。モンタネッリのイタリア史の概説書は、文法を終えたばかりの学生には適度なレベルだが、本当はもう少し専門的な歴史書を読みたいところ。テキストの探索をつづける必要あり。

 授業終了後、散歩がてら、附属図書館と中央食堂に立ち寄る。

 研究室に戻って作業のつづき。その合間に、大学院生からの問い合わせに返信を書き送る。面倒な仕事に協力して頂き、ありがたい限り。19時過ぎに退室。

 そういえば今朝も清風荘の壁に「カノコガ」を見つけた。名前が分かったので、ちょっと親近感あり。

 

2024年6月17日月曜日

創立記念日(でも出勤)

6月18日(火)

 雨。朝一で非常勤の授業。11時過ぎに百万遍に到着。

 大学に着いて気がついたが、本日は創立記念日で休講、事務もお休み。静かな環境のなか論文の和訳に取り組む。仕事が一段落ついたら映画を観にいこうかと思ったが、思いのほか時間がかかり、結局17時ごろに退室。映画はあきらめる。

 帰宅後、家事。一つ悪いことあり。ふぅ。しかし、予定通り指の運動にいそしむ。アクシデントにめげずにルーティンワークをこなすのは大事。おかげで気持ちが落ち着いた。


1週間ほど前から清風荘の壁に見かける昆虫。蛾の一種だろうか。
調べたらやはり蛾の仲間(カノコガ)のようだ。
こちらに詳細:
蛾のような、蜂のような、アブのような毒毒しい虫 : 昆虫ブログ むし探検広場 (exblog.jp)


2024年6月16日日曜日

理性的な魂、人文主義者ペトラルカ

6月17日(月)

 定時に百万遍に到着。2時限、3時限の授業の支度。

 今日読んだ Tasso の Il messaggiero の一節では、精霊が「理性的な魂」l'anima ragionevole について、「それもまた理知(mente)と呼ばれるものであり、ほとんどその長(suo capo)に相当する」という不思議な意見を開陳している。この l'anima は、普通の「魂」とは異なり、主が家にいるような具合に四肢のなかにある、とされている(体と一体化しているのではなく、あくまでその統治者としてそこに鎮座しているという主旨)[133‐134]。

 3時限の文学史の授業では、ペトラルカの人文主義者としての功績を簡単に紹介。リナ・ボルツォーニ『すばらしい孤独』の一節を引きながら、ペトラルカにとって、古典の写本を手に取ることが、その著者とのヴァーチャルな出会いそものだったことを解説する。

 授業終了後、研究室のパソコンで仕事をしようとしたところ「e-learningをまだ受講していない」という警告が出て、ちょっと気色ばむ。

 少し早めに17時頃に退室。帰宅後、家事。苦戦。

 

2024年6月15日土曜日

『関心領域』、プール

6月16日(日)

 起床して明日の授業の準備。

 朝食、掃除機がけの後、大急ぎで梅田へ。映画館の前で合流して『関心領域』。職務に忠実で、几帳面で、家族にやさしく、動物と植物をいたわる悪魔(ルドルフ・ヘス)。ラストのカットインが効いていた。

 帰路、上本町によって食材の購入。

 昼食のお蕎麦を頂いてから、区民プールへ。今日もマイペースのクロールで1000メートルほど泳ぐ。いつものように阿倍野の飲食店街に立ち寄って一服。

京都大学ELCAS 2024

  京都大学ELCASの宣伝です。

240426_ELCAS_A4 (kyoto-u.ac.jp)

 8月20日(火)、21日(水)にかけて「詩形の力と創造の力」というタイトルで演習型の授業を担当いたします。興味のある方は、どうぞこちらを:

2024年度ELCAS受講生の募集について | 京都大学 (kyoto-u.ac.jp)

イタリア語学イタリア文学専修のXなどでも宣伝頂きました。ありがとうございました。





2024年6月14日金曜日

パソコン、研究室、美術館の写真撮影

6月15日(土)

 朝食をすませたところで、宅配業者さんがノートパソコンを回収に来訪。無事に引き渡しを済ます。掃除機をかけてから大学へ。11時半ごろに研究室に到着。

 論文を和訳する作業。昼食後、その続きと月曜の授業の準備。途中、構内のキャッシュディスペンサーで現金を確保する。17時過ぎに退室。

 先日の雑談で、美術館で展示作品を撮影するかどうかという話題がでる。自分は撮影しない。展示してあるものを目で見れば十分。何を見たか忘れてしまっても、仕方がない。撮影している方の多くは記憶のためだと思う。これはよくわかるが、スマホ画像は再現度に限界がある。美しくないイメージを見る気にもならないだろう。自分の場合は、何より写真を撮るのが面倒くさい。撮影してまで作品を所有したくない。そこまで記憶することに強欲でもない(と思う)。

京都大学キャンパス
法学部


2024年6月13日木曜日

接尾辞脚韻(rima suffissale)と接尾語 "-mente"

6月14日(金)

 定時に百万遍に到着。今日も暑い。ふぅ。集中できる午前中に図書館で作業。発表済みの論文の和訳を進め、文献を講読する。

 2時限が始まる前に系ゼミの教室にお邪魔して、担当の若手の先生にご挨拶。

 それから授業の支度をする。その途中で、書類が未提出とのメールが届く。締め切りは今日だと思っていたが、昨日だった。うかつ。用意はしていたのですぐに送信してお詫びする。

 3時限の授業では、接尾辞脚韻(rima suffissale, 英語ではsuffixal rhyme?)を確認する。これは、名前のとおり接尾辞による押韻で、よく見かけるのが動詞の活用形によるもの(例えば、amasseとcantasse)。

 今日出てきたのは、副詞を作る語尾(-mente)が行末に置かれたケースで、該当箇所はソネット141の10、12行目のveracementeとsoavemente。このような接尾辞による脚韻は簡単に作ることができるため、ペトラルカの詩集では逆に珍しい。Canzoniereでは、-menteによる押韻はこの一か所だけだったはず。どうしてこのソネットでこのような押韻が使われているのか。作品の主題(火に飛び込む蛾のように、ラウラの瞳に吸い寄せられる詩人)に関係しているはずだが、調べた範囲では確認できなかった。継続課題。

 副詞を作る接尾語 "-mente" は、ラテン語のmens (伊語のmente)の奪格形に由来している(「~な精神で」「~なお心もちで」という感じだろうか。soavementeなら「甘美なお心で」→「甘美に」)。-menteという接尾語は、したがって、当初は人間の性質を示す形容詞にのみ使われていた。それが拡大して、形容詞全般に適応されるようになった。このような経緯だったと記憶している。

会議、ヨーグルト購入、欧州議会の選挙結果

6月13日(木)

 今日も暑い。研究室に到着後、ウェットシートで汗を拭いて、アンダーシャツを着替える。

 懸案のメールを送信してから図書館へ。論文の和訳、参考文献の講読など。

 ノートパソコンの充電が尽きたところでいったん退館。気分転換に百万遍に出てコンビニでいつものヨーグルトを購入。図書館に戻って、明日の授業の準備。

 昼食後、オンラインの会議。

 終了後、勉強、研究、雑用など。18時に退室。

 夕食後、オンラインの雑談。

 欧州議会の選挙結果と美術館での写真撮影について。選挙は、ドイツ、フランス、オランダなどで極右が勢力を伸ばす結果に。イタリアでも、Fratelli d'Italia(イタリアの同胞)がおよそ29%の得票率でトップ、PD (Partito democratico 民主党)が約24%でそれに続く結果。PDは事前の予想に比べると頑張ったようだ。2022年に結党したばかりのAlleanza Verdi e Sinistra (AVS みどり左派連合)も健闘している。PDは今後につながる選挙結果だったが、詳細を見ると、党首のエリー・シュラインに近い候補者よりも改良派の候補者の方が多くの票を集めているので、今後の党運営で、あまり左に舵を切ることはできないだろうと予想されている。あとシュラインさんが左派勢力の連合の必要を強調しているのが印象的。

Pd, Schlein avverte gli alleati: «Ora unità, basta con i veti» - Il Quotidiano del Sud



2024年6月12日水曜日

授業(イタリア語歴史講読)、Researchmapの更新

6月12日(水)

 研究室に到着後、肌着をかえて、ウォーミングアップの音読をしてから図書館へ。原稿の和訳と4時限の準備。途中、気分転換に文献の講読。

 昼前に研究室に戻ってメールの返信など。

 昼食後、授業の支度。

 レオ10世は湯水のごとく金を使っていたが、芸術家だけではなく、学者、文人にも高給を与えて様々な取り組みを支援している。世界の個人資産の約4割を保有しているとされる上位1%の富裕層にも、この点は、ぜひ見習っていただきたい。

 授業終了後、課題の和訳の採点。

 それからResearchmapに、行き場を失っていたミルトン協会シンポジウム(2022年)での講演論文(proceedings paper)をアップロードする。

村瀬 有司 (Yuji Murase) - マイポータル - researchmap

 19時過ぎに退室。

 

2024年6月11日火曜日

非常勤講師室にて。パソコンのバッテリー、頭痛

6月11日(火)

 朝一で非常勤。講師控室で、数年前に文学研究科を退職された言語学の吉田先生にばったりお会いする。近々学会発表でアメリカに出張されることを楽しそうに話しておられた。専門分野の最先端で元気に活躍されているご様子。励まされる。

 百万遍には11時過ぎに到着。学生さんにアルバイト打診のメールなど。

 昼食後、図書館に移動して原稿修正の作業。苦戦、捗らない。

 15時過ぎに退館して研究室で書類の作成にとりかかる。その書類に関連して、5年前から使用しているノートパソコンのバッテリーを取り換えるべく発注方法を確認する(自分ではバッテリー交換ができない機種)。メーカーのHP上ではもう扱われていないようだったが、チャットで相談したところ面倒を見てもらえることに。ありがたい。

 部屋の片づけをしてから17時頃に退室。

 帰宅後、家事。指の運動。

 それから上六のカフェに行って1時間ほど作業のつづき。

 頭痛と寝不足と暑さのせいで、集中力を維持するのが難しい一日だった。本日の自分よ、お疲れさま。

先日の日曜日に写して貼り忘れていた近所の薔薇。いつも見入ってしまう緋色


2024年6月10日月曜日

イタリア文学専修授業(2コマ)

6月10日(月)

 定時に研究室に到着。

 メールで推薦状について連絡をしてから、速やかに今日の2コマの授業の準備を始める。

 2時限のタッソのIl messaggieroは思弁的な議論がつづくところで、難しい。でも、おもしろい(と思う)。"Ora vorrei sapere se i corpi celesti si posson cosi' dir corpi de l'intelligenze, come queste mie membra son corpo de l'anima mia e come le tue del tuo spirito son corpo."  「私の四肢が私の魂の体であるように、またあなたの四肢があなたのスピリットの体であるように、そのように天球は知性の体であると言いえるものか、私は知りたいのです」。

 3時限の授業では、ペトラルカのCanzoniereの愛のテーマと着想について紹介。

 授業終了後、複数の部署に問い合わせをする。ちょっとこちらの要領が悪かった。一番聞くべき相手にまず尋ねること。

 夕方早めに退室。帰宅後、家事。

 

2024年6月9日日曜日

映画『マッドマックス:フュリオサ』/フリオーザ?

 6月9日(日)
 
 朝食。掃除機がけをしてから、連れ立って近鉄電車で布施に。商店街にオープンした魚屋さんへ。カツオの刺身、バイ貝などを購入。ついでに布施の商店街を見て歩く。午前中から開いている立ち飲み屋さんがちらほら。いい感じ。

 帰宅して、昼食のお蕎麦を頂く。
 
 それから急いで支度をしてアポロシネマへ。『マッドマックス:フュリオサ』、前作『怒りのデス・ロード』の前日談にあたる作品。丁寧に作られたいい映画だった。スクリーンに没入の2時間強。主人公のフュリオサが、聡明で冷静でタフで、ガッツがある。
 英語タイトルが Furiosa: A Mad Max Saga なので、イタリア語を知っている人なら『マッドマックス:フリオーザ』と呼びたいところ。

 帰宅後、金魚の飼育ケースと水草の鉢を掃除(えらい)。久しぶりに指の運動も。和音を反復して心穏やかに。

2024年6月7日金曜日

研究室、附属図書館

6月8日(土)

 11時過ぎに研究室に到着。自室にいるとだらけそうなので、速やかに図書館へ。

 論文を書き直す作業、月曜日の授業の準備など。13時前に研究室に戻って昼食(出町柳駅の近くで購入したいつものお弁当)。

 それから再度附属図書館に行って作業と準備のつづき。

 17時前に退室。

 帰宅後、洗濯物を取り込んでから区民プールへ。今日もクロールでゆっくり1000メートルほど。すっきり。飲食店で一服してから帰宅。

 そういえば、今日は同僚のイタリア人の先生が大学に来られていたようだ。

 文学部でヘーゲル学会が開催されていた模様。

2024年6月6日木曜日

e-learning

6月6日(木)

 定時に研究室到着。実は、出町柳駅に到着した直後に「寝屋川で人身事故発生のため、全線で運転を見合わせます」とのアナウンスが駅構内に流れていた……。

 かるくウォーミングアップをしてから図書館に移動して仕事と研究。途中、散歩がてら百万遍でヨーグルトを購入。

 それから再度図書館に赴いて明日の授業の準備など。

 研究室で昼食をとった後、論文の修正作業をしてe-learningのつづき。ようやくすべてクリアー。この種のコンテンツとしては珍しく勉強になった。

 18時半過ぎに退室。文学部の新館を出たところで、キャンパス内で迷子になっている様子の方々がおられたので声をかける。「人文研はあのレンガの建物の向こうにあります」と情報を提供。

 本日はオンラインの雑談はなし。

 コンサートのチケットを予約。

イタリア語学イタリア文学専修授業、ペトラルカ、同音意義脚韻(rima equivoca)

イタリア語学イタリア文学専修授業、ペトラルカ

6月7日(金)

 定時に研究室到着。

 出町柳から百万遍まで歩いただけで汗がでる。肌着を着替えて業務開始。メールの下書き、今日が期日の校正(専修案内)の送信、業務に関して事務に確認の電話2本。

 一区切りついたところで、和文論文を手直しする作業(苦戦)、3時限の支度など。

 昼食前に、メールの送信。赤を入れた原稿が最新版ではなかったという連絡が事務からあったため、専修案内を再度校正してお送りする。

 昼食後の授業は、sonettoの138について時間をかけて検討する。形式面では、1、2連目の脚韻 -iraと-riaと、前者の1行目と5行目( "d'ira"「怒りの」 と "dira"「残酷な」)の、同音意義の脚韻(rima equivoca)について。内容にかんしては、最終連のConstantin(コンスタンティヌスの寄進状の皇帝コンスタンティヌス)の名前を含んだ一文の解釈について。 

 授業終了後、和訳の確認(みなさんよくできている)をして早めに退室。

 桃谷の眼科で定期健診。

 

 

 

2024年6月5日水曜日

イタリア語学イタリア文学専修授業、e-learning

イタリア語歴史講読、corte、他

6月5日(水)

 定時に研究室に到着。

 書類とメールを一通ずつプリントアウト。ウォーミングアップをしてから図書館に赴き、論文の手直し、文献講読、授業の支度など。昼過ぎに退館。

 昼食後、e-learningのつづき、メールの下書きなど。

 4時限の講読の授業を終えてから、木陰のベンチでくつろぎつつ、和訳の課題に目を通す。"[...] s’installò in un bellissimo palazzo con uno stuolo di servi e una piccola corte d’amici" という一節の最後の"corte"がやはり難しかったようだ。このcorteは「取り巻き連中」という意。主語はGiovanniなので「彼はたいそう美しい館に、一団の召使と取り巻きの友人らとともに住み着いたのだった」となる。

 夕方、e-learningのつづき、下書きしたメールの送信、論文の手直し。19時前に退室。


京都大学キャンパス法学部の裏手
法学部の中庭


 

2024年6月4日火曜日

非常勤、業務、研究、その他

6月4日(火)

 朝一で非常勤の授業に。学生さんが何人か眠そうにしていたので、詩の一行を音読してもらう。いい感じ。

 11時過ぎに百万遍に到着。メールの確認、e-learningなど。

 昼食後、図書館に移動して仕事と研究と明日の授業の準備。途中、時計台の生協に行って飲み物を物色。ニュータイプの飲料水がチラホラ。そのうちの一つを買って水分補給。

 夕方、委員会の書類の確認。少しだけ原稿の修正作業をして退室。

 帰宅後、家事。久しぶりに指の運動、かなり忘れている…


二軒茶屋駅の近くにて
非常勤からの帰路


2024年6月2日日曜日

イタリア語学イタリア文学専修授業、タッソ、ペトラルカ、京阪電鉄のトラブル

Rerum vulgarium fragmentaの3195写本

6月3日(月)

 定時に研究室に到着。

 2時限と3時限の準備、大忙し。

 今日読んだIl messaggieroの一節[125]に、天使(≒知性)が、potenzaとattoから構成されているという記述があり、注釈で言及されていたアリストテレスの『魂について』(III 5 430a)を踏まえつつ、potenzaが「潜在的な力」、attoがそれを覚醒させる「作用」を意味していることを確認する。おもしろいが、むずかしい。

 3時限の文学史の授業では、ヴァチカンに収蔵されているペトラルカのRerum vulgarium fragmentaの3195写本をインターネットで実地に見分する:

Vaticano Latino 3195: https://spotlight.vatlib.it/latin-paleography/catalog/Vat_lat_3195

 授業終了後、明日の非常勤の準備と原稿の修正作業を少し進めて17時過ぎに退室。

 早く帰って家事をするつもりだったが、京阪電鉄が人身事故で不通となり、1時間半ほど出町柳で足止めされる。わたしが京阪のダイヤの乱れに巻き込まれるのは、今年度に入って確か4回目。ちょっと頻度が高すぎる。

2024年6月1日土曜日

お赤飯、プール

誕生日

6月2日(日)

 本日、家族の誕生日。朝食にお赤飯を頂く。

 掃除機をかけてから近所の図書館へ。1時間ほど原稿の修正作業(今年はこれが多い)。

 帰宅後、お土産のラーメンを頂く。

 昼過ぎから昼寝。起きたら家に誰もいなかったため、同じ状況で寂しい思いをした小学生の頃を思い出す。

 2時過ぎに区民プールへ。クロールでのんびり1000メートルほど泳いでから銭湯へ。

 帰路、いつも繁盛している店のカウンターが空いているようだったので入店。地元の方々とのんびり歓談、リラックス。