6月14日(金)
定時に百万遍に到着。今日も暑い。ふぅ。集中できる午前中に図書館で作業。発表済みの論文の和訳を進め、文献を講読する。
2時限が始まる前に系ゼミの教室にお邪魔して、担当の若手の先生にご挨拶。
それから授業の支度をする。その途中で、書類が未提出とのメールが届く。締め切りは今日だと思っていたが、昨日だった。うかつ。用意はしていたのですぐに送信してお詫びする。
3時限の授業では、接尾辞脚韻(rima suffissale, 英語ではsuffixal rhyme?)を確認する。これは、名前のとおり接尾辞による押韻で、よく見かけるのが動詞の活用形によるもの(例えば、amasseとcantasse)。
今日出てきたのは、副詞を作る語尾(-mente)が行末に置かれたケースで、該当箇所はソネット141の10、12行目のveracementeとsoavemente。このような接尾辞による脚韻は簡単に作ることができるため、ペトラルカの詩集では逆に珍しい。Canzoniereでは、-menteによる押韻はこの一か所だけだったはず。どうしてこのソネットでこのような押韻が使われているのか。作品の主題(火に飛び込む蛾のように、ラウラの瞳に吸い寄せられる詩人)に関係しているはずだが、調べた範囲では確認できなかった。継続課題。
副詞を作る接尾語 "-mente" は、ラテン語のmens (伊語のmente)の奪格形に由来している(「~な精神で」「~なお心もちで」という感じだろうか。soavementeなら「甘美なお心で」→「甘美に」)。-menteという接尾語は、したがって、当初は人間の性質を示す形容詞にのみ使われていた。それが拡大して、形容詞全般に適応されるようになった。このような経緯だったと記憶している。