2時限の準備に集中する。聖書の「詩篇」とウェルギリウスの『牧歌』第九章、それぞれの一節をコピーする。
今日の授業ではソネット209と210を読む。後者の第2連:
Qual dextro corvo, o qual mancha cornice
canti 'l mio fato, o qual Parca l'innaspe?
Che sol trovo pietà sorda com'aspe,
misero onde sperava esser felice.
いかなる右手のカラス、いかなる左手の灰色ガラスが
私の(良い)運命を歌うのだろう、いかなるパルカが紡いでくれるのだろう?
というのも私は、毒蛇のように耳を閉ざす慈悲(=ラウラ)を見出すばかり、
哀れにも、その慈悲から幸せを望んでいた。
注釈によると、右手のカラス(corvo)あるいは左手の灰色ガラス(cornice)が良い未来を告げるという伝承は、キケロの作品に確認できる。corvoとcornice (=cornacchia)はどちらもカラスという訳語になってしまうが、後者は、和名が示すような特徴のある種らしい(corvus cornixウィキペディアの情報)。
「毒蛇のように耳を閉ざす」というのも不思議なたとえ。これについては「詩篇」の次のくだりが典拠に挙げられている。「蛇の毒にも似た毒を持ち/耳の聞こえないコブラのように耳をふさいで/蛇使いの声にも/巧みに呪文を唱える者の呪文にも従おうとしない」(『聖書』(新共同訳)、「詩篇」58, 5-6、日本聖書協会、1987年)。頑なな「慈悲」ではある。
以上のような点を確認して授業を終える。課題の和訳をチェックしてから昼食。
午後、来週の授業の準備。なんだか慌ただしい。
夕方、早めに退室。