2025年6月28日土曜日

"Odi et amo"

 朝食をとって、掃除機をかけてから、近所の図書館へ。1時間ほど机に向かう予定だったが、自習スペースが改装中。今日はイベントのため他の机もすべて使用できないので、そのまま梅田へ。アイスランド映画『突然、きみがいなくなって』。

 つきあっている若者が、自分のために遠方の恋人に別れを告げに行く途上で事故死しまう。残された女性を演じる俳優が印象的。二人の女性のイメージが重なり合うところもよい。アイスランドの海と太陽と教会も。

 原題はアイスランド語でLjósbrot、refractionに相当する言葉とのこと。ちなみに英語の作品タイトルは、When the Light Breaksこの映画のテーマソングも記憶に残る。ヨハン・ヨハンソン Odi et amo



「私は憎み、かつ愛す」はカトゥッルス(85)の詩行からとらている。

  Odi et amo. quare id faciam, fortasse requiris.

  Nescio, sed fieri sentio et excrucior.

  私は憎み、かつ愛す。なぜそんなことをするか、多分あなたはたずねるだろう。

  私にも分からない、でもそうなるように感じて苦しめられている。

「愛して憎む」は西欧の抒情詩の伝統的モチーフだが、違う観点から同様の表現を使った人がいる。

 「好きなものは咒うか殺すか争うかしなければならないのよ。お前のミロクがダメなのもそのせいだし、お前のバケモノがすばらしいのもそのためなのよ[…]」(坂口安吾の『夜長姫と耳男』)

この物語では、愛して憎むが芸術家の信仰告白になっている。安吾一流の逆説。


 退館後、梅田の街を散歩。

 帰宅後、昼寝、雑用など。平和なよい一日。

2025年6月27日金曜日

Sonetto 183など

 今朝も早めに研究室に到着。

 自分の仕事(原稿修正)、授業の準備、勉強などに集中して取り組む。雑務に邪魔されない幸福。

 昼食後、配布資料を携えて教室へ。今日読んだソネット183の第四連:


Femina è cosa mobil per natura,

ond’io so ben ch’un amoroso stato

in cor di donna picciol tempo dura.


女性の心の移ろいやすさを取り上げた詩行については『アエネーイス』第四歌に有名な先例がある。変わりやすいのは、男女を問わずだと思うが。

 読解しずらいのはソネット184の第二連:


Natura ten costei d’un sì gentile

laccio, che nullo sforzo è che sostegna.


これは、Amor, natura, la bella almaをそれぞれ2行の詩句で歌った前半部の一節。un gentile laccioが"sostegna"の主語になっている。

 授業終了後、和訳の課題の確認。業務(同僚にメールを送信など)を済ませてから夕方早めに退室。

 上六で用事を済ませてから帰宅。

2025年6月26日木曜日

マルコ・ベロッキオ監督

 今日も早めに研究室に到着。

 午前の集中できる時間に、自分の仕事のつづき(原稿の修正)、勉強、明日の授業の準備など。途中、事務まで足を運んで義務を果たす。

 昼食後、明日の授業の準備と、自分の仕事のつづき。寝不足で頭が重いので、こまめに休憩をとりながら机に向かう。

 夕方、同僚の先生へのメールの下書きをしてから早めに退室。

 マルコ・ベロッキオ監督がTVドラマのシリーズを手掛けているとのこと:Portobello” di Marco Bellocchio sarà la prima serie italiana della nuova piattaforma Max

 85歳にしてこのガッツ。近年制作の映画でもクオリティが落ちていないのがまたすごい。見習うべし。

2025年6月25日水曜日

ヨーグルト、授業(イタリア史講読)

 8時45分前に研究室に到着。いい感じ。

 雑用を片付けてから自分の仕事を再開。思いのほか、時間がかかる。一区切りついたところで百万遍まで散歩。コンビニでヨーグルトを買って研究室に戻る。

 それから部局の雑用・業務に取り組む。

 昼食後、4時限の準備。今日の授業では、ナポリ近郊のBalilla(ファシズム組織の子どもたち)の軍事訓練の写真とその解説を読む。南部問題について、ムッソリーニは国民すべてを全体主義国家に統合することで解決できたと見なす立場をとっていたこと、しかし南部の大半は「新生イタリア人」の誕生後も旧来のままだったこと、などが紹介されている。実際、写真の子どもたちは皆みすぼらしい身なりで素足の男子も多い。

 授業終了後、和訳の課題のチェックをしてから自分の仕事(後ろ向きの校正)に取り組む。

 19時頃に退室。

 

2025年6月24日火曜日

非常勤、ILASセミナー

 朝一で非常勤。ここ数週火曜日の天気がよろしくない。前年の春から初夏にかけても火曜日に雨が多かった記憶あり。時間のスパンを広げれば偏りは消えるはずだが、人間なので近視眼的に不幸を拡大してしまう。授業は、雨天をものともせず元気にこなす。

 11時過ぎに百万遍に到着。朝食をほぼ抜いている状態なので、何はさておき昼食の弁当を食す。一息ついてから、本日なすべき大学の業務に取り組む。むむっ。

 それから5時限の準備を開始。早めに終わったので、大学の雑務・自分の仕事のつづきなど。

 今日のILASセミナーは「地獄篇」第七歌。1行目の "Papè Satan, papè Satan aleppe"のpapiを想起させるpapeの音から、第4圏の責め苦の様態、第5圏の憤怒の罪を犯した魂の二区分、最終行のuna torreの出現まで、参加者の意見をもとに検討する。積極的に発言してくれる方がいるのでこちらも楽しい。

 授業終了後、業務の後始末をして19時過ぎに退室。