2025年11月7日金曜日

授業(ソネット193のrima equivoca)

 定時に研究室に到着。

 研究を少し進めてから、来年度のカリキュラムの修正作業を始める。新たに非常勤の依頼をした先生からご快諾の返事を頂いて一安心。同僚の先生の迅速なご対応にも感謝。本当に仕事が早い。

 一区切りついたところで3時限の支度。

 昼食後、速やかに教室へ。

 今日の授業では、前回読んだソネット193の一節の押韻について検討する。

 Stiamo, Amor, a veder la gloria nostra,
cose sopra natura altere et nove.
Vedi ben quanta in lei dolcezza piove,
vedi lume che 'l cielo in terra mostra.
  Vedi quant'arte dora e 'mperla e 'nostra
l'abito eletto, et mai non visto altrove, [...]

 愛の神よ、私たちの至福を眺めよう、
自然を凌駕する気高く稀有な存在を。
ほら見て、どれだけの美が彼女にそそがれているか、
見て、天が地上に示してくれる光を。
 見て、どれほどの技が金、真珠、緋をほどこすか
余所では見られたためしのない、えり抜きのその衣服(身体)に。

1、5行目の末尾が、nostraと'nostraで同音意義の脚韻(rima equivoca)となっている。動詞のinostraから頭の母音を省いて同じ音を出しているので、何らかの意図が込められているのはほぼ確実。教室で挙がったのは、神の技(arte)が生み出す自然(natura)と、それを凌駕するラウラの美しさ(=この世の秩序を上回る美)との関係(一種の混乱した状況)を、同音意義の押韻によって表現しているのではないかという解釈。さらに考察の要あり。
 
 授業終了後、久しぶりに附属図書館に赴いて少しだけ授業の課題の採点などをする。

 夕方、研究室でさまざま作業に取り組む。19時ごろに退室。