今日も早めに研究室に到着。
久しぶりに、後ろ向きではなく前向きの研究活動。『狂えるオルランド』について紀要論文のテーマの絞り込みを始める。
予定通り10時前に切り上げて、事務作業(データ収集)を再開する。ウェブから資料を集め、関連する先生に情報照会のメールをお送りする。
予定意通り11時ごろに一区切りつけて3時限の支度。
昼食後、ざっと資料の確認をして教室へ。今日読んだソネット179にも校訂の問題あり。該当箇所は第二連の2行目:
ovunque ella sdegnando li occhi gira,
che di luce privar mia vita spera,
le mostro i miei pien d'umilità sì vera,
ch’a forza ogni suo sdegno indietro tira.
上記はSavoca版のテクスト。この2行目冒頭のcheは、前行のellaを先行詞とする関係代名詞。この解釈ですっきりと一文が理解できる。これに対して普及版の一部では、
"(che di luce privar mia vita spera?)”
とカッコでくくられた疑問文として2行目が処理されている。どうしてこのような見解が生まれるかというと、校訂のベースになるヴァチカン3195写本の該当箇所の行末に、疑問詞を思わせる記号のようなインクが見えるため。Savoca版はこの箇所を汚れと判断して上記のような校訂を行っている。授業では写本のコピーを配布して物理的な情報を実際に確かめてもらう。
夕方、教室で書いてもらった和訳の確認をして、早めに退室。
晩、そろそろ寝ようかという頃合いに重要なメールが相次いで届く。深夜までその対応に追われる。