2024年11月7日木曜日

ソネット156

11月9日(金)

 朝、家を出たところで定期ケースをもっていないことに気づき、急いで取って返す。しかし、自室を探しても見つからない。諦めて出勤。うぅぅ。車内で同僚の先生にメールを送信。いつもより10分遅れで研究室に到着。 

 午前、データ資料に付す説明文を書き上げる。イタリアにご機嫌伺いのメールを送信。

 午後、3時限の支度。今日読んだソネット156は、ラウラが泣いている姿をうたった一連の作品の一つ。第一連は:

I' vidi in terra angelici costumi

e celesti bellezze al mondo sole,

tal che di rimembrar mi giova e dole,

che quant'io miro par sogni, ombre, e fumi;

1行目のterraとangelici、2行目のcelesti bellezzaとmondoのコントラストから作品のテーマが浮き彫りにされる仕組み。4行目のquantoは関係代名詞で「私が見るものはすべて夢、影、煙に思われる」という意。ラウラの天上の美しさの前では、地上の事物はすべては空しい、至高の価値によって他の存在が相対化されるパースペクティブ。虚しさを生み出すメカニズムとして文学史の授業でもこの一節を紹介している。

 授業終了後、附属図書館に立ち寄って軽作業。それから文学部の総務掛で会議室の予約。

 研究室にもどって19時ごろまで校正。