5月24日(金)
定時に研究室に到着。来客があるので、急いで部屋を掃除、机の上を整頓。
懸案の書類、ほぼ完成。メールで送信。
11時半に約束通り、S先生と学生さんが来訪。みなさん、積極的でよい。
メモ:
Canzoniere の sonetto 303 では、ペトラルカが(今は亡き)ラウラに想いを巡らせた川辺のシンボルが、列挙されている(5行目):
fior, frondi, erbe, ombre, antri, onde, aure soavi
「花々、枝葉、草、木陰、洞、水面、あまいそよ風」
並べられた名詞の最初の二つは "f" で始まっている。このように単語の冒頭で同じ音を繰り返すのが「頭韻法」(alliterazione, alliteration)と呼ばれる技法。ここではさらに、ombreとonde、antriとaureがそれぞれ頭韻をなしている。
303の5行目では、この技法が記憶をサポートすることを一つの目的にしていると考えられる。冒頭の f-f が注意喚起の第一歩となって、o-o, a-aと言葉が導き出されていく。もう一つ、erbeとombreの語尾の類似も目を(耳を)引くところ。
この詩行では、fior / fron / di er / be om / bre an /tri on / de au /re / so/a/viの11音節の抑揚が、第4音節(ombre)、第7音節(たぶん6番目も)にアクセントを落としてから、間を置いてso-a-viと展開しているのも特徴的。この間合いによって、末尾の形容詞(「甘美な」)が引き立てられている。
……書き始めると、話題が次から次へとやめられないとまらない(本当は1行単独ではなく、ソネット全体、特に前後の行との関係も考慮する必要あり)。