2時限の教室で読んだ一節:
«Se ben la
verità» rispose «per se stessa è buona e la
menzogna rea per sé,
nondimeno ne le cittadinanze è tolerato che i principi e i magistrati le dicano
per utilità de’ soggetti, come a’ medici è lecito di dir la bugia per salute de gli
infermi.
(訳)「たとえ真実は」精霊は答えた「それ自体で良く、嘘はそれ自体で悪いのであれ、にもかかわらず市民の間では、君主や司法官が家臣の利益のために嘘をつくことは許容されている、ちょうど病人の健康のために嘘をつくことが医師に許されているのと同様に」
この一節の病人をだます医師の譬えは、ルクレーティウスが『事物の本性について』で引き合いに出している、甘い蜜を器の縁にぬって苦い薬(にがよもぎ)を子どもに飲ませる医師の手管を踏まえていると思われる(第一巻936行~)。
昼食後、速やかに支度をして3時限の教室へ。今日の文学史の授業では、ベンボの『俗語論』に即して16世紀初頭の言語論争を説明する。次いで、「技」「技術」(arte)と「自然」(natura)の関係について、カスティリオーネの『宮廷人』とタッソの『フィチーノあるいはアルテについて』の一節をみながら概説する。
授業終了後、明日の非常勤の準備など。
部屋の片づけをして夕方早めに退室。
帰宅後、家事をしてから親戚宅へ。1時間ほど書斎をお借りする。