時間のあるうちに自分の仕事…と思いきや、いつの間にか会議の開始時刻に。予想以上に審議が長引いて昼までZOOMとにらめっこ。それから急いで3時限の支度。一通り終えたところで昼食をとり教室へ。
今日教室で読んだソネットの177は、使用しているSavoca版と普及版のテキストの間に面白い違いあり。該当箇所は第2連の2行目:
dov’è armato fier Marte, e non acenna,
dove armato fier Marte, e non acenna,
上のSavoca版では"fier"は軍神マルスにかかる形容詞。下の普及版では"fier"は動詞とみなされており、"e"を介して行末の"acenna"と並列の関係にある。「自分はシンプルなSavoca版の解釈を支持しています」とコメントしたところ、参加者の皆さんも同じ意見だった。この"fier"は形容詞にしか見えないが、SantaagataとBettarini両先生はそれぞれの校訂版で後者の綴りを採用しているので何か根拠があるものと思われる。
このような見解の相違が生じるのは、当時のテクストでアポストロフィーが使われていないため。ヴァチカンの3195写本の該当箇所(36v)のコピーを配布して177の2行目の"dove"および14行目の"ovabita"("il cor già volto, ov’abita il suo lume")という綴りを確かめる。
授業終了後、教室で書いてもらった和訳を確認。それから自分の仕事のつづき。終わらない。
19時ごろに退室。帰りの京阪車内で泥のように眠りこける。