2025年5月9日金曜日

sonetto 173

 今日も定時に研究室に到着。

 業務メールへの返信、自分の仕事、今日が締め切りの提出物の送信(セーフ)など。

 11時過ぎから3時限の授業の支度。すでに大方は終えているので和訳の問題の作成と最終確認。昼食後、速やかに教室へ。

 今日読んだところで面白かったのはCanzoniereのソネット173の第二連:


  poi trovandol di dolce et d'amar pieno,

quant'al mondo si tesse, opra d'aragna,

vede, onde seco, et con amor si lagna,

ch'à s ì caldi gli spron,  sì duro 'l freno.


1行目のtrovandolのloは第一連の4行目に出てくる「地上の楽園」(=ラウラの瞳)をうけている。「それから(私の魂は)その楽園が甘みと苦みに満ちているのを見出して、世界で織りなされているものすべてが、蜘蛛の糸であるのを理解する」。opera d'aragnaは「蜘蛛の作ったもの」すなわち蜘蛛の巣、糸。この世の虚しさを象徴する蜘蛛の巣は、旧約聖書のヨブ記の一節に由来しているようだ。ヨブ記にはその種の象徴が繰り返し出てくる。このような情報を教室で紹介。

 授業終了後、和訳の確認をしてから事務作業。夕方遅い時間からようやく自分の仕事に取り組む。19時過ぎに退室。