2024年10月31日木曜日

smorsare (CVII v. 5)

11月1日(金)

 定時に研究室に到着。

 イタリア語の論文を書き直すための予備作業。一区切りついたところでデータの開示の準備。それから3時限の支度。

 昼食後、資料をプリントアウトして教室へ。参加者のお一人から、前回読んだCanzoniereのCLIIの5行目の動詞 "smorsare" の意味について、Battagliaの大辞典その他から詳しい情報をご提供いただく。やはり「morso(はみ)を外す」というのが原義で、そこから「(桎梏から)自由にする」という比喩的な意味が派生しているようだ。

  今日読んだところでは、次の箇所におもしろい表現が:

Non fur ma’ Giove et Cesare sì mossi,

a folminar collui, questo a ferire,

che pietà non avesse spente l’ire,

e lor de l’usate arme ambeduo scossi. (CLV 1-5)

2行目のcollui, questoは不定詞の目的語ではなく、その意味上の主語GioveとCesareをそれぞれ受け直した代名詞。folminareは「雷を落とす」、ferireは「剣を振う」。両者の用いる武器の違いを踏まえてそれぞれの主語を不定詞に明記している。

 授業終了後、少し仕事(教務への情報確認など)。集中力が低下しているので早めに17時過ぎに帰宅。自覚はないが、体調が悪いのだろう。

雨に降られたので附属図書館から法学部を抜けて帰還