10月28日(月)
定時に研究室に到着。2時限、3時限の支度(資料のコピー)。余った時間で自分の仕事。
2時限のトルクァート・タッソのIl messaggiero、今日読んだ個所にこんな一節が:
Chiamo io spezie artificiali non quelle
ch’assolutamente sono fattura de l’arte, benché di queste ancora molte che son
mescolate potrei annoverare, ma quelle che di due semplici spezie naturali per
alcun artificio insieme si sono congiunte, quali sono gli innesti de le piante,
di cui così leggiadramente cantò il tuo poeta in quei versi:
文脈が分からないと意味がとりにくいかもしれない。精霊が「私」に、ダイモンは女性と交わることができるという話をしながら、二つの異なる種が混じって混成的な種が生まれえることを説明している場面。冒頭のchiamoは(non) quelle, (ma) quelleの二つの目的語をとっている。その補語がspezie artificiali。「わたしがアルテの種(技・技術によってつくられた種)と読んでいるのは、純粋にアルテからなるものではなく、何らかの技(アルテ)を介して、二つの自然の単純な種から結合して生まれ出たもののことだ」。
3時限の文学史は、騎士物語。授業の冒頭、小説の起源についてマルト・ロベールの古典的な論考『起源の小説と小説の起源』を引きながら簡単に紹介する。これは自分の両親はとこか別のところにいるに違いないという子どもの空想、いわゆるフロイトの家族小説(ファミリーロマンス)に小説の原型を求める見解。ついでに、小説の先駆けと言われるセルバンテスの『ドン・キホーテ』はイタリアの騎士物語を踏まえた作品ですと宣伝。『ドン・キホーテ』がいかに面白いかについても触れる。
授業終了後、自分の仕事。関係部署に電話で問い合わせなど。17時過ぎに退室。
帰宅後、家事。