2024年8月16日金曜日

研究室、今井むつみ/秋田喜美『言語の本質』(中公新書)

 8月16日(金)

 今日は定時に研究室に到着。ふぅ。

 全体の構成を整えつつ、各項目に必要な資料を作る。ようやくゴールが見えてきたような。

 一区切りついたところで、学生さんからの問い合わせに返信。さらに教務掛に業務関連の連絡。

 午後、資料作りのつづき。今日は図書館を使わせてもらう。8月半ばなのに結構な込み具合。学生のみなさん暑いなか頑張っている。

 今日は大文字の送り火、出町柳周辺が混雑する前に帰阪する。

 最近読み終えた今井むつみ/秋田喜美『言語の本質』(中公新書)に有益な情報が多数。言語の起源と習得プロセスに深く関わるオノマトペ、偉大なり。日本語の擬態語・擬音語の豊かさは、アイコンに近いイラストや漫画、アニメの質の高さとも関連しているような気がする。考察の余地あり。音象徴(おんしょうちょう)の話は詩の研究にも重要。例えば、ペトラルカのソネット1第3連の有名な1行:

di me medesmo meco mi vergogno「自分に対して自分自身が恥ずかしい」

この詩行について、タッソは「mで始まる言葉をたくさん使うのが、嘆きの記述にはふさわしい」(『英雄詩論』)というコメントを残している。このmを含む共鳴音の子音(有声子音)の「遅くて元気のない動きに対して」使われる傾向が、本書に紹介されている(『言語の本質』p. 50)。