4月20日(金)
京阪特急でお客様対応が発生したために、5分ほど遅れて研究室に到着。
3時限の授業で使用するコピー(今日は使わずじまい)を隣の共同研究室で用意してから、文献講読と註の作成。一区切りついたところで、再び授業の支度。
昼食後、ただちに教室へ。134のソネットから135のカンツォーネの第一連まで読み進める。134は、前半2連の脚韻がABABABABというRerum vulgarium fragmentaのなかでは珍しいアルカイックなパターン。さらに11行目と14行目の脚韻がaltruiとvoiで、完全には一致しない組み合わせ。このvoiはシチリア風にvuiと発音するところ(トスカーナ語のoがシチリア方言ではuになる。"amore" は "amuri" になる)。このようにvoiをvuiと読ませることを一つの目的として、ABABABABという、シチリア派によくみられる古いソネットの脚韻を使った可能性を指摘する。この脚韻でシチリアを意識させて、末尾のvoiをvuiに読み返させているという理屈。しかし、ペトラルカなので、もっと本質的な理由があってこの形式を選択していた可能性が高い。
授業終了後、昨日他大学の図書館に貸出し(郵送)を依頼した図書が届いている(!)との連絡を頂く。ありがたい。早速附属図書館に赴き書籍を受けとりコピーをとる。
17時前に退室。帰りの車内で、コピーを読み始める。