2024年4月26日金曜日

Canzone 135、授業

4月26日(金)
 定時に研究室到着。息が切れる。六階まで階段を二段上がりするのはやめて、おとなしくエレベーターを使わせていただく。
 
 メールの返信(院生さんと同僚)をしてから附属図書館に移動して作業。12時前に一区切りして3時限の和訳の課題を作る。
 
 昼食後、教室へ。咳はでるが、声はでない状態がまだ続いている。集中力も十分でない。原文の読みで一つ説明すべきこと(almaとcorの問題)を忘れて通り過ぎてしまう。次回の授業でフォローすること。授業終了後は図書館に行って作業のつづき。18時撤収。

 今日読んだCanzoneの135の第3連には、エチオピアに生息すると伝わるカトブレパスが登場する。プリニウスの『博物誌』の第八巻の記述によると、この生き物は「大きさはそこそこで」というかなり適当な体躯の紹介になっているが、大事なのは「その眼を見た人はたちどころに死ぬ」という特性。ここからラウラの瞳につながる。

 プリニウスについては授業のなかで関連作品を二つ紹介したことがある。一つは澁澤龍彦の『私のプリニウス』、もう一つはヤマザキマリ/とり・みき『プリニウス』(全12巻)。前者は、書斎に腰を据えた文人の姿を、後者は世界を巡るアクティブな探求家としての活動を描いている。どちらもプリニウスの特徴をうまくとらえていると思う。漫画の『プリニウス』は、ネロ帝治世下のローマの生々しい日常と、架空のものまで含めた動物・植物・鉱物の優しい世界がテーマになっている。こんな素敵なカットもある。

『プリニウス』I, p. 78